ソフトクリームを売っていた時代、ビルの奥に移転した時代、それらの時の話は不要だろう。
今の店をご紹介したい。
府中駅で下車、八王子方向にある階段を降り、ケヤキ並木を渡り、目の前の宮西国際通り商店街に入る。130mほど行った左手奥のビルの1階の、さらに最奥、改札から約3分の所にある。
■ラーメン 二郎 府中
そう、『二郎はラーメンにあらず、二郎という食べ物なり』と言う格言まで誕生させた店の府中店。ジロリアンなる信者たちが行列を成す店である。券売機で食券を買うのだが、初めての方は「大」と書かれた大盛を注文しないこと、でないと爆沈する。「小」でも普通の店の大盛以上ある。1回で5人分ずつ作るので、並んでいる途中で食券を店主に確認してもらうことになる。つまり、ラーメンなのか、大盛なのかのチェックだ。太い麺だから茹でるのに時間がかかるのだ。麺硬めなどの特注は、慣れてからにしよう。
スープが入れられ麺が入れられ、モヤシと野菜、さらには叉焼を載せた段階でトッピングを聞かれる。無料のトッピングは、野菜、脂、タレ、ニンニクだ。
それぞれの注文の仕方は、「野菜」「脂」「カラメ」「ニンニク」となる。野菜とニンニクを入れて欲しい場合は、「野菜・ニンニク」と声をかければ良い。野菜をW量で増やしたい時は、「野菜マシマシ」と言えば良い。ただし、凄い量になるので初めての方はマシマシは控えるように…。
もちろん普通に「野菜多めにしてください」でも問題ない。
「脂少なめ」「味薄め」「野菜少なめ」「野菜抜き」「麺硬め」「麺柔らかめ」「麺半分」等は、食券を見せる時に指定する必要がある。
なお「ブタ」と食券機にあるのは、チャーシューのことであるが、ブタ入りはボリュームがあるので、何度も書くが、初心者を脱してからが良い。
さて前置きはこのくらいにして、目の前の丼に注目してみよう。麺は何処、これは何、多分貴方は、目が点になっていることだろう。
トッピングをしなくても、モヤシとキャベツの野菜が山を作っているはずである。ブタの大きさにも驚かされるだろう、今まで食べてきたラーメン、中華そば、支那そばのチャーシューの大きさと比較して。
野菜の端から引き出した麺を見て、貴方は仰天するかもしれない、その太さに。しかし驚くのは食べてからで、そのしっかりとした麺のコシに感嘆して欲しい。そして、ふと見たスープに見たことのない不可思議さを感じることだろう。豚骨醤油背脂系ではあるが、乳化したスープは実に深く、破壊力に富むものになっている。
ラーメンの食べ方として普通の表現である、ススルは、二郎では当てはまらない。凶暴な麺と山のようにある野菜を、食べる、のである、むしゃむしゃと。その粗暴さはまさにワイルド。おろしニンニクの合うそれは、まさにパワフル。豪快に食べ進む内に、如何にダイナミックかが分かる。
ただひたすら、丼に立ち向かっている貴方は、もはやジロリアンの一歩手前である。
見事に完食した後、満足感が溢れていることだろう。満腹中枢を刺激しないうちに食べ終えた自分に、達成感を覚えることだろう。
1週間もしないうちに、二郎の文字、野菜が山を作る丼が再び脳裏を駆け巡るようになる。もはや貴方はジロリアンの道を進み始めたに違いない。各店舗によって微妙に異なる二郎。比較的穏やかで大人しい府中店は、女性客も多く、初心者の入りやすい店である。
先ずは、二郎という食べ物を食べてもらいたい。
掲載日付:2008/08/18